最初の頃は、運転に慣れること、道やバス停の位置や接客など覚えることがたくさんあって、毎日いっぱいいっぱいでした。先輩のようにブレーキがゆっくりで優しい運転ができないもどかしさにブルーになったり。今思えば、初めから思い通りにできる仕事なんてないのに、理想と現実とのギャップで落ち込んだりしていました。その点、所属する営業所は運転士同士が顔を合わせる機会が多く、話もしやすい良い環境でした。
皆さん同じような経験をしているもので、相談すると励まされたり具体的な対策を教えてもらったりとても助けられました。また、普段からいろんな情報共有ができ、些細なことも事前に知っておくことが安全運行につながっています。

この仕事は日々の積み重ねです。目の前の仕事を一つ一つこなし、その結果、無事故・無違反が継続できたらいいなと思っています。まずは運転・接客全てにおいて基本に忠実であることが安全につながるものと思っています。常に緊張感のある中で、集中してがんばろうというモチベーションを保ち続けなくてはいけません。そのため、休日は仕事のことは忘れて、しっかりリフレッシュするなど自分で冷静に判断しブレーキをかける勇気も必要です。
会社でもメンタルケアなどいろんな研修があり、先日はカスタマーハラスメントの研修を受けてきました。知っておくと随分対応もスムーズになるものです。

岐阜バスに入社したきっかけは？

引越し費用は会社負担で入社支度金もあり、
遠方からの転職も安心でした。

愛媛出身で、岡山県の大学を卒業して同県のバス会社で運転士を務めていました。大学時代からずっと岡山で暮らしていたので、少し東の地区で暮らしてみたいと思っていたところ、バス会社に務めていた知り合いから岐阜バスをすすめられたのがきっかけです。岐阜バスは、引越し費用は会社が補助してくれますし、大型二種の免許があると入社支度金がもらえるという点もポイントになりました。運転士の仕事は好きで、特に車体が大きく気持ちよく走行できる高速バスの運転は楽しいので、バスの運転士を続けることは大前提にありました。
実際に入社して、何でも話ができるし、風通しもよくていい会社だなと思っています。教育も充実していて、前の会社ではなかったハラスメント研修などはとても有意義だと思いました。また、前の会社では同じ路線を一日に何往復もするということが多かったのですが、岐阜バスではいろんな路線を走れますし高速バスも運転でき、入社3年目も楽しくやっています。

一番大切にしていることは安全運転を続けることです。そのために、自分の心身の状態を把握することを意識しています。例えば、暑い時には、集中力がなくなったりイライラしがちになることを自覚し、一呼吸置くなどして平常心を保つよう心掛けています。ストレスを引き摺らないことも必要で、職場で話をして気分転換したり、プライベートではカラオケに行くなどして楽しくリフレッシュしています。
バスの運転士は専門性があり、ラクな仕事とは言えませんが、高い技術を必要とする仕事なので、慣れてできるようになると自分への自信につながります。最初は大変ですが、一緒にがんばりましょう！まじめに働く方、遠方の方も、お待ちしています！

2ヵ月くらい研修をして運転士デビューしました。お客さまを乗せて運転するというのは、接客もありますし、今も緊張の連続です。お客さまから「女性なのにすごいね！がんばってるね！」とよくお声をかけていただき、女性の運転士はまだ珍しいし注目されるんだなと感じます。
路線バスを1年乗って、高速バスも運転するようになりました。名古屋から白川郷間は海外からのお客さまも多く、接客時には通訳アプリを使っています。先日、そのバッテリーが切れて困っていたら、英語のできるお客さまが代わりに説明をしてくださって本当に助かりましたし、とても和やかな雰囲気になりました。毎日ちょっとしたハプニングはありますが、お客さまとの交流は楽しいです。

「女性だから」と不安を感じたことはなく、女性を受け入れる環境は整っていると思います。職場は気軽に話や相談ができる雰囲気ですし、女性の先輩運転士さんもとても気さくな方です。現在は8営業所中6営業所に女性用休憩室・仮眠室が完備されており、私もよく利用していますし、女性用制服も要望に合わせて選択できます。何か健康面で心配なことがあれば、産業医さんや保健師さんに相談できる点も安心です。これまで働いてこられた女性運転士さんが、環境や待遇改善のため声を上げてくださったからこそ、このような環境が整ったんだと思い、感謝しています。

運転士になったきっかけを教えてください。

「女性運転士募集！」ラッピングバスを見て、
体験会に応募しました。

20年ほどのアパレル勤務を経てコールセンターに勤務し、翌年契約満了になるタイミングで、次の仕事を考えていた頃でした。目の前を「女性運転士募集！」の岐阜バスのラッピングバスが通ったんです。これがきっかけでした。
運転士を仕事にするというのは頭になかったのですが、運転は好きでしたし、趣味の山登りで乗った登山バスの運転に憧れたことも思い出し、早速、運転体験会に応募しました。構内をバスで運転したのが楽しく、運転士になることを決意。その後、大型二種免許を取って入社に至りました。これが私の最後の転職だと思っています。

私が入社した時には既に女性専用の休憩室もあり、女性の働く環境が随分整っていました。また、車体にはドライブレコーダーも付いていますし、女性だからと不安を感じることはほとんどありません。この環境になったのも、先輩の女性運転士の方たちが声を上げ意見してくださったお陰だと感謝しています。
現在、女性運転士も結構いますが、お客さまから女性運転士ということで「がんばってね！」とお声をかけていただくこともあり、とても嬉しく感じます。
ちょっとでも「運転してみたい」と思われているなら、早い方がいいので、今すぐにでもチャレンジしてください。不安があっても、研修やサポート体制は整っていますので、とりあえずやってみることをお勧めします。自分は49歳の時だったので、今思えばもっと早く運転士になっておけばよかったと思います。皆さんのチャレンジをお待ちしています！